電気通信大学情報理工学域編入学推薦受験記

Lafolia です。 令和 3 年度電気通信大学情報理工学域 I 類の特別編入学推薦試験を受験し合格しました。

以下に試験の概要を記します。 まず始めに推薦受験について簡単にまとめます。 次に口頭試問・面接の内容を書き、最後に私自身の行動について述べます。

推薦試験について

電気通信大学の推薦受験は、高専 3 年と 4 年の席次が 20 % 以上である場合に受験できます。 私の席次は 3 年が 3 位、4 年が 2 位でした。

試験は口頭試問と面接によって行われます。 口頭試問は数学と専門科目に分かれ、類ごとに出題される問題が変わります。 I 類の専門科目は情報です。

その他、調査書や推薦書も加味し合否が決定します。 具体的な得点配分は少なくとも募集要項には書いておらず、ブラックボックスになっています。

試験問題について

試験は面接 → 口頭試問(数学) → 口頭試問(情報) の順に各 10 分行われました。 また、試験は受験番号の若い人から順に実施します。 私の受験番号は受験者の中で後の方であったため、1 時間以上待つことになりました。

面接

面接官は 3 人おり、向かって左の方から順に質問されます。 圧迫されることはなく、淡々と質問に答えることを繰り返す形でした。 面接官の方から話を広げてくださるので、一つの質問を長く答える必要はありません。

質問に対する回答から次の質問が決定されるため、受験者それぞれで質問の内容は全く異なると思っています(つまり、この節は飛ばしてよいです)。 私の場合はアルバイトの話が膨らんだ結果、卒業研究については全く触れませんでした。

以下、質問とその回答を記します。

Q1. 志望動機

A1. 高専で参加した大会の経験から最適化に興味を持ち、取り扱っている研究室を調査したところ情報数理工学プログラムでは多くの研究室が取り扱っており魅力的に感じた


Q2. 推薦書には 2 つの大会について本選に出場したと書いてあるが、本選の成績はどうだったか

A2. 本選では成果を残していないが健闘できたと考えている(これは想定していた回答が飛び苦し紛れに言ったもの。本来は本選出場自体のハードルが高かったことを述べる予定だった)


Q3. 使用する言語はなにか

A3. 大会では高速な C++ を使用している。作りたいものに対して適切な言語を選択している


Q4. 最適化に興味を持った理由

A4. オペレーションズリサーチに対する興味をアルバイトの経験を踏まえて述べた


Q5. アルバイトで具体的にどのようなものに携わったか

A5. NDA を違反しない範囲で答えた


Q6. 最適化した解を顧客が嫌と言ったらどうするか

A6. 嫌な理由は数値化できると考えている。どのように嫌かをヒアリング・定式化し組み込むことで全員が納得できる解となるはず


Q7. 将来どのような人材になりたいか

A7. アルバイト先の社員全員が簿記を持っており開発以外の業務も行っている。自分も顧客に寄り添いより良いプロダクトを提供する人材となりたい


Q8. 30 秒ほど余ったので何かあればどうぞ

Q8. 特にない。考えていなかった

口頭試問(数学)

微積線形代数の大問 2 つをそれぞれ 5 分で解きます。 回答はホワイトボードに記述します。

監督が 3 人います。計算ミスがあれば教えてくださる一方、ノーミスで解かなければ全答は時間的に難しい時間設定です。

また、試験問題を見れば分かりますが、学力試験と比較して難易度は非常に低いです。 落ち着いて取り組めば解くことは容易です。

微積

 f(x) = (x^2 - 2x) e^{x + 1} について 3 つの小問を答えます。

(1) 極値を求めよ

微分すると  \pm \sqrt{2} で極小値・極大値をとることがわかります。


(2) 概形をかけ

増減表を作成し概形を書きます。 \lim_{x \to -\infty}f(x) = 0 となることに注意します。


(3) x 軸と囲まれた面積を求めよ

部分積分します。解こうとしたところで制限時間となりました。

線形代数

3 次の正方行列について 3 つの小問を答えます。具体的な値は覚えていません。

(1) rank を求めよ

計算すると 2 になりました。


(2) 1 列目と 2 列目のベクトルについてグラムシュミットの直交化法を適用せよ

やります。答えがやけに汚くなると思ったら計算ミスを指摘されました。


(3) 小問(2) で求めたベクトルに直行するベクトルを求めよ

連立方程式を書いたところで制限時間となりました。

口頭試問(情報)

数学の口頭試問と同様に、大問 2 つをそれぞれ 5 分で解きます。

初歩的な問題が出題されるため、出題の分野を学んだことがあれば解くことができます。

2 進数と 10 進数の変換

(1) 符号なし整数について、 10 進数の 57 を 2 進数で表わせ

111001 です。


(2) 符号付き整数について、 2 進数を 10 進数で表わせ(値は覚えていないが負の数)

2 の補数表現を用いると絶対値を容易に読み取れます。


(3) 単精度浮動小数点数の定義が問題用紙に書いてある。2 進数 を 10 進数に直せ

仮数、指数の定義が書いてあるので参考にしながら解きます。

仮数の例として乗っていたものが間違っているように思え(ミスプリか誤読)、小問(4) を先に回答しました。 その後、指数だけ求め制限時間となりました。

(4) どの浮動小数点数の演算で、 0.1 + 0.2 = 0.300000...04 となる理由を口頭で述べよ

0.1 ないしその倍数が 2 進数では無限小数となることと仮数に使用できる bit は有限であることから桁落ちが発生することを述べました。

アルゴリズム

(1) 線形探索について口頭で説明せよ

口頭で説明しました。


(2) 線形探索の比較回数について最良の場合と最悪の場合を述べよ

素数 N として最良は  O(1)、最悪は  O(N) です。


(3) 二分探索について概要と配列が満たさなければいけない条件を口頭で説明せよ

口頭で説明しました。


(4) (配列から要素を検索する)二分探索の比較回数について最良の場合と最悪の場合を述べよ

最良は  O(1)、最悪は  O(\log N) です。

蛇足

電子機器の類は集合した段階で回収されるので、面接開始までの待機中に復習等をしたい場合は紙媒体のものを持ち込むことをおすすめします。 私はスマホと受験票以外何も持っていかなかったため、1 時間の虚無を過ごすことになりました。

試験勉強について

正直なところ、推薦で合格する気満々だったため、あまり真面目に勉強してません。

推薦試験が不合格だった場合の学力試験に備え、昨年の 10 月から勉強を開始しました。 参考書を回した後、過去問を解くという流れで勉強しました。

参考書については数学を 1 冊、物理を 2 冊、英語を 1 冊購入しました。 数学は 1 周、物理・英語は 2 周しました。

参考書・過去問ともに、物理と英語を入念に勉強しました。 電通大の学力試験は、数学はやや易しめでその他は難しい印象です。

物理は弊高専で深く学ばない科目なので、過去問を初見で見たときは何もわかりませんでした。 出題範囲について参考書をこなし、初歩と典型問題について知識を得ることで戦えるようになりました。

英語の長文読解については文脈を読み取る力が重要と考えています。 私は卒研で英語論文を読んでいるためあまり心配しませんでした。 作文については参考書の文章を全部書くことで文章作成の典型がつかめると思います。

推薦試験の準備については試験日 2 週間前から担任と研究室の担当教員にお願いし何度か面接の練習をしていただきました。 私がはじめ考えていた志望動機が弱いこと、話に筋が通っていないことが指摘されました。 また、自分で作成していた台本に穴があることも分かり、より充実させることができました。 実際の試験でも練習と作成した台本が活かせたかなと思います。

まとめ

かなり失敗したと思っており合格発表まで気が気でなかったのですが合格できました。

今回の試験では口頭試問で大きく差がつくことはない(情報は簡単、数学はみんな完答できていない願望) と感じており、合否を分けた大きな要因は席次と面接だと思っています。 席次に関しては推薦受験を志した段階でどうしようもなくなっている場合もあるため、面接練習をしっかりやることをおすすめします。

@Lafolia13Twitter やってるので、なにか質問があったら連絡ください。